糖尿病には活性酸素が関与している

糖尿病には活性酸素が関与している

 

 

糖尿病は高血糖を特徴とする生活習慣病です。日本の患者数は予備軍まで入れると、一三七〇万人ともいわれ、大人の三、四人にひとりは糖尿病患者かその予備軍といわれる国民病です。血液中のプドウ糖の濃度は約一〇〇mg/ dlに保たれています。

 

食事をすると、血中のブドウ糖濃度は上昇しますが、すい臓のラングルハンス島β 細胞にあるセンサーが高いブドウ糖濃度を感知すると、細胞内のATP濃度を上昇させ、インスリン分泌を促進します。血中に放出されたインスリンは標的器官である筋肉や脂肪細胞表面のインスリン受容体に結合し、シグナル分子を活性化して、GLUT‐4というプドウ糖輸送担体の細胞膜への移行を促進します。その結果、筋肉や脂肪細胞内に血中のプドウ糖が取り込まれ、血糖値が下がります。血糖値が下がりすぎますと、すい臓β 細胞はインスリン分泌を上めると同時に、肝臓がグリコーゲンを分解してブドウ糖に変え、血中に放出することで血糖値を一定に保ちます。このように、血糖値はたくさんの細胞が関与する複雑なネツトワークによって維持されています。糖尿病が老化病といわれるのは、関与する多くの細胞が老化によって正常な機能を維持できなくなってしまいがちだからです。

 

脳の細胞はプドウ糖しかエネルギー源として利用できないので、血糖値が低下しすぎると意識障害が出たりして危険な状態となります。
いつぼう、血糖値が高すぎるとタンパク質との糖化反応が促進されて、動脈硬化症など老化に伴う広範な病気が起こります。
糖尿病は遺伝的要因と環境要因によつて起こるとされています。インスリンが出なくなるインスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)は、すい臓のβ 細胞が自身の免疫細胞により攻撃されて殺される自己免疫疾患といわれる病気のひとつです。免疫細胞が出す活性酸素の毒性によってすい臓β 細胞が死んでいきます。インスリンが出ていても血糖値が下がらないインスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)は、日本人の糖尿病の九〇〜九五パーセントを占めるといわれています。原因は肥満、食べ過ぎ、運動不足、ストレスなどです。どれも体内で活性酸素をたくさん出させる原因となります。2型糖尿病と活性酸素との関係は1型糖尿病に比べてはっきりしませんでしたが、最近関係を示す証拠が増えています。

 

糖尿病は自覚症状がないため、気づいたときは手遅れの場合が多いので注意する必要があります。基本的に糖尿病を治す薬はないとされています。運動療法及び食事療法が重要な治療法になります。糖尿病が進行しますと、失明や手足の壊死など重篤な合併症を引き起こします。